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last update 17/Aug/2013

『エウクレイデス全集』第4巻 (デドメナ/オプティカ/カトプトリカ)

第4巻 (デドメナ/オプティカ/カトプトリカ)について

『デドメナ』

『デドメナ』はギリシャの解析のために使われる基本命題集です. この著作は現存写本では94個の命題から成り, 基本的に「もし何々が与えられるならば,何々が与えられる」という形で叙述されます. 『デドメナ』は「与える」という動詞の受動分詞(中性複数形)ですから, 「与えられたものども」とでもいう意味です. これは「何々が確定すると,何々も確定する」と述べたほうが現代の読者には分かりやすいかもしれません.

ギリシャにおける解析とは,作図などの問題を解くために,その問題が解けたと仮定して, そこから議論を逆にたどって解法を探求する技法です. これは近世の数学者にも注目されましたが,未だにその解釈をめぐって混乱があるようです. 第4巻の最初に,『デドメナ』と解析について短い解説を書きました. 古代の解析について疑問がある方も,これを読めば疑問が氷解するはずです. なお,解析を使った典型的な命題をアルキメデスなどの著作から集めて付録(pp. 455-471)に収録しました.

『オプティカ』『カトプトリカ』

『光学』『反射光学』というタイトルで知られている著作で, ものの見え方(『カトプトリカ』は鏡によるものの見え方)を論じたものです. 長年この著作を研究してきた高橋憲一さんの解説 (pp. 195-305)は現在の世界的な研究の到達点を示すものです.


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