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最終更新 2019年1月24日(1月29日修正)

斎藤憲:日本科学史学会会長選挙のページ

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民主的な運営とは何だろう(木本候補に答えて)

木本候補の「立候補者のことば」によれば,私は「独断的な少数運営」をおこなっているのだそうです.よく理解できないので,ここに私からみた事態を説明したいと思います.

問題になっているのは科学史学会が刊行している和文誌・欧文誌の審査プロセスに対する著者からの異議申立ての扱いです.2017年から18年にかけて2人の著者から,会長をしていた私に申立てがあり,総務委員会と相談して,著者と編集委員会から,事実経過と見解を文書で出していただきました.2018年3月の全体委員会で,具体的な内容に触れずに,学会誌の審査に対する異義申立てがありますが,と諮ったところ,「編集委員会の独立性が大事だから,審議すべきでない(門前払いにせよ)」という結論になりました.私はあっけにとられました.

これでは学会誌,ひいては学会に対する信頼がゆらぐと考えて,私は2018年5月の総会で,これを再検討する議案を出しました.長時間にわたってかなり激しい議論があり,また異議申立てをした著者ご本人が二人とも名乗り出て発言されました.

私が総会に出した議案の内容を簡単に言えば,「この申立てについて,検討する委員会を作って,強制力のない勧告を行う」というものです.なんとも中途半端ですが,学会誌編集の独立性と,著者の意見を聞いて編集プロセスの改善に役立てる,という二つの必要性の間で苦慮した結果です.

この議案は可決され,その後の具体的な手順は全体委員会で議論されて,「科学史通信」などで経過が報告されています.最終的な結論は2019年5月の総会で報告される予定です.

誤解のないように言っておきますが,一連のプロセスで,私は何も決定していません.通常と違うのは,総会への提案をおこなったことだけです.そもそも総会でも,全体委員会でも,会長には何も決める権限がありません.私はそれで良いと思っています.

全体委員会が,会員の苦情申し立てを,内容も見ずに却下することこそ,「独断的な少数運営」の危険に近づく(必ずそうとは言えないにしても)ことではないかと私は思います.

総会でこの問題が議論され,その場でさまざまな意見が出て,その議論を100名近い総会出席者が聞きました.結果的に懇親会の開始が遅れて多くの方々にご迷惑をおかけしました.木本候補によればこれは「混乱」なのだそうです.私はこれこそ民主的運営だと考えます.この判断は投票する会員諸賢に委ねられています.

直接この問題に関係ないのですが,民主的に作られた制度を非民主的に運営することはあまりに容易です.関心を持って参加・発言しようとする人を,少しばかりdiscourageすればいいのです.

民主主義は制度だけでは完成しません.また,民主主義の本質は選挙ではなく,参加です.多くの人が意見を述べ,また,さまざまな行事・企画に参加する機会を作らねばなりません.


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本ページ更新前の文書(2018年11月8日にアップロードしたもの)

文章を見直しましたので,このページから削除しましたが,資料として残してあります.基本的な考えは変わっていません.