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最終更新 2019年1月9日

斎藤憲:日本科学史学会会長選挙のページ

2期目に立候補します.

率直に言って,1期目は成果をあげられませんでした

現在の全体委員30人の態勢では,新たな企画は困難であることを痛感しました

同じ人に何十年も委員をさせるのはやめましょう

小回りのきく少人数の理事会で,再任回数を制限して,多くの人が一度は運営にかかわる

それでこそ,会員の声を集め,会員のための運営が出来ます

「学会への貢献」=「下働き」での評価はやめよう

若手,地方在住,研究者でない会員を大事に

立候補にあたって

斎藤憲です.日本科学史学会の会長に再度立候補することにいたしました.1期目の成果の乏しさを考えれば,立候補するのもおこがましいのですが,ここで投げ出すことはあまりに無責任であると考えました.それでは2期目はどうするのか,まず基本的な考えは以下のとおりです.

運営態勢の見直し

現在の運営態勢の問題は,30人から成る全体委員会(+委嘱委員)というシステムが,うまく機能していないことにあります.機能しない理由は2つあります.

  1. 全体委員会は意志決定と業務遂行の両方の任務がありますが,30人という大人数では迅速な意志決定は困難です.また人数が多いため20年以上も委員を連続して務めて下さっている方も少なくありませんが,そのため30人の中に実質的に「実権を持つ中心的メンバー」が出来てしまいます.そのため新しい人が入ってきにくくなるという悪循環が生じています.
  2. 学会活動は無償奉仕であるべきだという,古参の委員を中心とした強い意見があり,仕事をしてくれる会員を見つけるのが容易でありません.

30人の全体委員会の問題点

30人が集まる会議を頻繁に設定することはできません.現在は5月(学会の前日),7月,10月,3月の年4回です.これを何とか増やしても,年5回が限度でしょう.この会議でも,30人のうち出席者は20人程度です.

制度上,全体委員会では,30人が対等な発言権を持ちます.しかし30人という数になれば,人間という生き物の本性から,どうしてもその中の一部の人に強い発言権が生じます.実際には,長年委員を務めている人の意見が通ることが多いことが分かりました.気に入らないことがあると大声で怒鳴る古参の委員もいます.この雰囲気を嫌って,いったん全体委員になっても,次期以降立候補しなくなる方もいました(その中には他の学会の役員として活躍している人もいますから,日本科学史学会は人材を失っているわけです).長年委員をしている方々は,他にやる人がいないから仕方なく委員を続けていると仰います.しかし,この方々の存在が,結果的に学会運営の停滞を招いている面もあります.

科学史学会の現状は,地方再生の問題点と驚くほど似ています.古参の人々が実権を握っていて,若い人が入ってこないと嘆きつつ,具体的な名前をあげると,あいつは駄目だと言う.私は学会に争いを持ち込みたくはなかったので,古参と新人が協力して学会の意志決定と運営を進めていけないかと考えておりました.しかし1年半の間,会長として全体委員会などの会議に出席した結論は,古参の方々にご勇退いただく以外に,新たな人が活躍する場を作ることは難しい,ということです.

なぜ,古参の人々がいけないのでしょうか.この方々が問題のある人物だというのでは全然ありません.ただ,あまりに長く運営にかかわってきたため,運営側からの,いわば官僚的な視点で物事を考えてしまうのです.典型的なのが,2018年に問題になった,学会誌(和文誌および欧文誌)への投稿者からの苦情の扱いです.2018年3月の全体委員会は,「編集の独立性が大事だ」という古参の委員の発言で,苦情の内容を検討さえせずに門前払いするという決定を下しました.私は,これでは会員の学会誌に対する信頼が揺らぐと考えて,5月の総会で,これを覆す提案をし,承認されました.

この総会の後,3月の全体委員会で「編集の独立性が大事だから苦情は門前払い」と主張した古参委員は,私に対して,「これが認められると次々と苦情が来るかもしれない」(だから私のしたことは間違っている)と仰いました.この委員にとっては,会員とは潜在的クレーマーであり,クレームを避けることが学会運営において大事なのでしょうか?

まさかそのつもりではないのでしょうが,長年にわたって連続して委員を務めれば,誰でもそういった「官僚的」発想に染まっていくのだと思います.我々会員としては,そうなってしまうまで特定の人々に連続して委員をまかせてきた怠慢を反省すべきだと思います.

念のため付け加えますが,こういった古参の委員の方々がいなければ学会は運営してこれなかったことも事実です.この方々の功績には報いなければなりません.たとえば委員経験年数を加味して早く名誉会員に推挙することを考えています.

学会誌への苦情によって,もう一つの問題が露呈しました.全体委員会が頻繁に開催できないため,迅速な意志決定が困難なのです.5月の総会で,学会誌への苦情について検討することが決まりましたが,まだ結論は出ていません.論文の掲載にかかわる問題なのですから,時間がかかることは好ましくありません.苦情そのものは2017年終わりから2018年初めに届いているので,すでに1年が経過しています.

なぜこうなったのかというと,5月の総会での決定を受けて,7月の全体委員会で,全体委員でない方に問題の検討をお願いすることになりました.私は委員の決定は困難を伴うと見て,事前に何人かの方に委員就任を打診して内諾を得ていました.7月の全体委員会で,その名前を出す前に,そういう決め方で良いかと諮ったところ,それはいけない,全体委員会で決めるべきだということになり,私が内諾を得た方々の名前を口に出すことはなく,別の方に委員を依頼することになりました.

しかし依頼された方は全員が断ったので,10月の委員会で改めて全体委員の中から委員を選ぶことになり,現在,その委員会が活動中です.こうして時間がかかるのです.

そこで全体委員会を廃し,6人から8人の定員の理事会として,再任回数を3,4回に制限することを提案します.輪番制に少し近づくイメージです.1桁の人数なら,会場に来られない方はSkypeで参加することもでき,地方在住者も委員を務めやすくなります.

ただ,今の総務や財政や学会誌の委員と理事との兼任はどうなるのかなど,具体的には多くの問題があります.当選したら,まず2019年5月の総会で学会運営に関するシンポジウムを開催して,現在の科学史学会の運営態勢,理事会方式を採用している他の学会の状況などについて議論し,認識を共有し,その後,どのような運営態勢がふさわしい,意見を募って,よりよい運営態勢を考えていきたいと思います.

無償奉仕文化については,後日(1月20日頃までに)あらためてアップロードします.


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本ページ更新前の文書(2018年11月8日にアップロードしたもの)

文章を見直しましたので,このページから削除しましたが,資料として残してあります.基本的な考えは変わっていません.